ネガティブな考えが止まらないとき:考えを「消す」より「切り替える」ために
- 6月25日
- 読了時間: 3分
更新日:6月26日
「嫌な考えが頭から離れない」
「考えないようにしているのに,何度も思い出してしまう」
「気づくと,同じことをぐるぐる考えている」
そのような経験はありませんか。
ネガティブな考えが止まらないとき,私たちはつい「考えないようにしよう」とします。
しかし,考えを無理に消そうとすると,かえってその考えが強く意識され,何度も蘇ってしまいます。
有名な心理学の研究に,
「シロクマ実験」があります。
Wegnerら(1987)の研究では,参加者に「シロクマのことを考えないようにしてください」と指示しました。
そして,もしシロクマのことが頭に浮かんだら,ベルを鳴らすよう求めました。
すると,多くの参加者は,シロクマのことを考えないようにしようとしているにもかかわらず,何度もシロクマを思い浮かべてしまいました。
さらに,いったん考えないようにした後で,今度は自由にシロクマのことを考えてよいと言われると,最初から自由に考えていた人よりも,シロクマのことが浮かびやすくなる傾向が見られました。
つまり,「考えないようにする」という努力が,かえってその考えを意識しやすくしてしまうことがあるのです。
これは,ネガティブな考えや気持ち,嫌なこと,何についても同じです。
「失敗したことを考えないようにしよう」
「嫌われたかもしれないと考えないようにしよう」
「不安なことを考えないようにしよう」
そう思うほど,その考えが頭に浮かんでしまいます。
だから,考えが止まらないのは,意志が弱いからとは限りません。
大切なのは,考えを無理に消そうとすることではなく,注意を少し別の方向へ向けることです。
たとえば,
温かい飲み物を飲む
部屋の中にあるものを数える
短い家事をする
音楽を聴く
外の景色を見る
手元の感覚に意識を向ける
小さなことでかまいません。
「考えてはいけない」と自分に言い聞かせるより,今できる別の行動や感覚に注意を移す方が,少し楽になることがあります。
ただし,ネガティブな考えが何度も繰り返される場合や,眠れない,仕事や生活に支障が出ている,自分を責める気持ちが強いという場合には,一人で抱え込まないことも大切です。
カウンセリングでは,その考えがどのような場面で出てくるのか,どんな不安やつらさと結びついているのかを,一緒に整理していきます。
考えを無理に消すのではなく,その考えとの付き合い方を見直していくことができます。
ネガティブな考えが止まらず,ひとりで考え続けることに疲れているときも,神戸カウンセリングルームのオンラインカウンセリングを,ご利用ください。
引用文献
Wegner, D. M., Schneider, D. J., Carter, S. R., III, & White, T. L. (1987). Paradoxical effects of thought suppression. Journal of Personality and Social Psychology, 53(1), 5–13. https://doi.org/10.1037/0022-3514.53.1.5

